カナダ一治安の悪い交差点にあるフォトスタジオで働く日本人の業務日誌


by canadianman

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180 ボスの身分もあと4日

■ ■ ■
黒人のファミリーが来た。
「子供のパスポート写真を撮りたいのだけど。」
スカーフをまいたきれいなお母さんが尋ねてきた。
「もちろん。」
椅子に案内し写真を撮る。
それにしてもこの家族は感じがいい。
子供もニコニコして落ち着きがあるし、
お父さんもお母さんも礼儀正しい。
アフリカ人、
イスラム、
ソマリア顔ではない。
分かった。
エチオピア。
写真を渡すときさりげなく聞いてみた。
「あなたたちどこの国出身?エチオピア?」
この観察力に驚いてくれ。
・・・
「違うよ。ソマリアだよ。似たようなものだけどね。ははは。」
あれ?
間違えた。

■ ■ ■
「ハーイ、スウィーティー!」
ジャメイカンのさんちゃんが、
ベトナム人のお姉さんと、大きな大きな黒人のお姉さんをしたがえてやってきた。
「今日はみんなでマンダリンに行っていたのよ~。クックックッ。」*チャイニーズビュッフェ
舌をペロっと出していつもの笑顔が炸裂した。
プリント注文機のメモリースティック挿入口は、
先週さんちゃんが壊れたカードをつまらせたので故障中だ。
「今日もこっちへ来てもらえるかな?」
パソコンのところへ案内し、
まずは彼女の写真をパソコンへコピーする。
3人の女性はパソコンの前に座った自分を取り巻くようにして座った。
写真を一枚一枚表示するたびに感想、歓声があがる。
ちょっと大変だ。
「ちょちょちょ、ちょっと待った。一枚戻って。あ~。これこれ!これどう?素敵じゃない?」
「いいわね~。これプリントしなよ。」
「じゃあこれ一枚お願い。じゃあ次の写真見せて。はい。どんどん進んで。・・・お~!戻って、戻って。これどう?プリンセスが私を見てるわよ。グーッド!OK。進んで。・・・」
こんな感じ。
そして、
ある一枚に差し掛かって歓声が大きくなった。
「わーお。これ素敵。ゴージャスじゃない?私。」
写真写り最悪のさんちゃんが、珍しく超素敵に写っている。*いつもはパッと見おじさん。
ポーズもばっちりだ。
「これ最高じゃない!いいわね~!」
つれも大絶賛だ。
「OK。じゃあこれプリントしとくね。」
と言ってパソコンにコピーしようとよくみたら、
ポーズがばっちりと決まっているのに、
手にスイカを持っていた。
ふいた。

■ ■ ■
「ハーイ、TAQ。」
めが姉が来た。(179参照)
今日は珍しく彼女と大喧嘩をしなかった。

■ ■ ■
「ハーイ、TAQ。」
ベトナム人歌手のリンさんが来た。(179参照)
昨日撮ったリンさんのスタジオ写真を見せる。
「ワーオ。ナイス。」
一通り写真を見せる。
「TAQ、これとこの写真、カットしてくれる?ちょっと。私の手、アグリー。」
「いいよ。まかせて。」
写真を切り抜く。
「あ。そこでOK。パーフェス!」
でたパーフェス!
8歳の息子が、
「パーフェスじゃないよママ、パーフェクト。」
とすかさず言う。
リンさんはその指摘を無視し、
「彼の写真もカットして。」
と続ける。
「こうかな・・・」
「OK!パーフェス、パーフェス。」
「パーフェクト、フェ・ク・ト!パーフェスじゃないよ。」
また息子が言っている。
やばい。
このままでは笑いがこらえられない。
思いっきり頬の肉をかんでこらえるが、
8歳の息子はじーっとこっちの顔を見ていた。

■ ■ ■
「あなたが帰るまで1回か2回は来るね!」
リンさんが笑顔で帰っていった。

■ ■ ■
兄貴分的存在のスーヤンが来た。(163参照)
わりと久しぶりだ。
「ヨー、ワッツアップ!」
握手を交わす。
今日は膨れ上がったツケをちょっと払ってくれた。
「ボスがこの額知ったらスーヤンを殺すと思うよ。気をつけてね。ははは。」
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by canadianman | 2010-08-31 22:27 | 業務日誌
■ ■ ■
店をオープンし、
朝の支度をする。
プリンタのトナーを入れて、
キャリブレーションをして、
軽く掃除する。
お次は鉢植えに水だ。
と思って水を入れようとするとペロペロキャンディが鉢に捨ててあった。
誰やねん!
ゴミ箱に捨てんかい!

■ ■ ■
「アニキ、キョージソガシイ?」
見習いのシャンタンが来た。
「ヒマ。」
と日本語で返す。
「オー。ヒマー?WHY?」
だいぶ日本語を覚えた。

■ ■ ■
黒人女性が証明写真を取りにきた。
見習い期間も残り少ないシャンタンに対応させる。
プリントができあがるのを待っていると、
彼女の携帯電話がなり始めた。
Marvin Gaye の"Sexual Healing"。
着信音はすぐに止んだが、
頭の中で曲がとまらない。
ついつい口笛を吹いていると、
「あなたも好きなのね。フフフ。」
と口笛に気づかれた。
なんかいい感じ。

■ ■ ■
「ハーイ、スウィーティー!」
ジャメイカンのさんちゃんが来た。
今日も彼女はご機嫌でしゃべりっぱなしだ。
実は毎日来てくれるさんちゃんにまだ言っていないことがある。
帰国のことだ。
今までなかなかいいタイミングがなかったが、
今日言っておこう。
「あのさあ、君にお願いがあるんだけど。もし嫌でなかったら僕と一緒に写真を撮ってもらえないかな?実は僕あと2週間でやめちゃうんだ。」
「えええ?何でよ!カモーン!」
「日本に帰るの。」
「WHY?」
「う~ん、ビザが切れるし、日本で待ってくれている人もいるし。」
「なんでよ?ビザは延長すればいいじゃない!最悪だわ!最悪!悲しいわ!」
頭に血管を浮かべながら「MAD」「MAD」と繰り返している。
そこまで言ってくれるのですか。
なんていいお客さんだろう。
ぐっと来た。
せっかくなので背景のカーテンをしいてシャンタンに写真を撮ってもらうことにした。
「悲しいわ。ここに来るたびにあなたのことを思い出すのよ。そう、亡くなった人のように。悲しいわ。」
まだ言っている。
自分の英語力がもっとあれば良いことを言いたいのに、
「僕も悲しい。」
くらいしか言えないのがはがゆい。
彼女も自分の英語力を知っているのでこっちの気持ちも分かってくれていることだろう。
ここ最近で急にたくましくなってきたシャンタンが写真を撮る。
いい写真を撮ってもらえた。
よかったよかった。
「じゃあまた明日ね。バーイ!」
お約束の言葉を言ってさんちゃんが店を出て行った。
ほんまにええ人や~。

■ ■ ■
ベトナム人歌手のリンさんが来た。(177参照
「TAQ、あなたいなくなった後、私この店来ない。他の人が丁寧に対応してくれると思わないから。あなたがいるうちに全部プリントするわ。」
「あははは。ボスにこういう色にしてって頼めばしてくれるとは思うよ。けど、丁寧かどうかはわかんないね。ははは。」
今日も
「パーフェス!」
が聞けて癒された。

■ ■ ■
リンさんの写真が終わりそうな頃、
めが姉が来た。(177参照)
最近この2人の鉢合わせ率が高い。
リンさんを送り、
めが姉の写真を始める。
「この間の写真、よくないわ~。なんで?TAQ?手を抜いてるの?」
「だから言ったじゃん。元の写真が違うから仕上がりは違うって!でもこないだ僕が撮った写真は良かったでしょ?」
「うん。良かったわ。でもできる限りの努力はしてよ。あなたのボスはきれいにプリントするわ。」
はあ~・・・
これから1時間彼女の注文に応え続けなければならない・・・
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by canadianman | 2010-08-30 23:34 | 業務日誌

178 A.J.って誰?

■ ■ ■
ガイアナ人男性が来た。
「写真をプリントしてちょうだい。」
プリント注文機の使い方を教え、
写真を選んでもらう。
60枚程度だったので、
「30分でできるよ。」
と告げ、
写真をプリントし始める。
バースデーパーティーの写真、
おばさんとぶちゅーっとしている写真、
キャンプの写真、
いろいろな写真がある。
その中でも釣り好きとしては魚の写真に目がいった。
ノーザンパイクというサワラのようなでっかい魚をおばさんが得意げににぎっている。
この男性もにぎっている。
かなり釣れているようだ。
いいなあ・・・

■ ■ ■
先ほどの男性とおばさんが写真を取りに来た。
「釣りするんだねえ。いいなあパイク。俺も釣りたいなあ。ここどこなの?」
たまらず情報収集にかかる。
「おお、写真みたかい?そうだ。パイクがいっぱい釣れてねえ。ここはいいポイントなんだよ。毎年行ってるけど、こんな感じでよく釣れるんだ。場所はなあ、えっと・・・」
と言いながら、
男性がレシートの裏になにやら書き始めた。
おお!
住所を書いてくれるのか!
ありがたい!
「①401号線、カーラルロード」
と書いたが続かない。
頭をぽりぽりかきながら隣の奥さんらしきおばさんに、
「あれなんだっけ?」
と聞いている。
そして、
「No Fillsに行ってA.J.に聞け。彼ならちゃんと教えてくれる。」*向いにあるスーパーマーケット
と言って帰っていった。
いやさすがにそれはできん。

■ ■ ■
ベトナム人のおじいさんが来た。
「パスポート、写真。」
と、かたことの英語を話しながら自分の顔を指差した。
「ユーチャイニーズ?」
質問されたので、
ジャパニーズだと教えた。
するとおじいさんは、
「ベトナム戦争。バーン!ブシュ。ここ。」
といいながら銃を撃つまねをし、
指で鼻の穴から頬に向かって弾が突き抜けるジェスチャーをした。
ほんとうだ。
おじいさんの頬にはえぐられたような丸い跡がある。
「ええ!撃たれたの?」
よくもまあ頭部に銃弾を受けて死ななかったものだ。
最後写真を渡すとき、
「81。」
と自分の顔を指差しながら得意げに言った。
81歳ということか。
まだ足腰がしゃんとしているのですごい。
「へえすごいなあ!」
と感心したが、
内心「このおじいさん撃たれたことと年の話はみんなにしてるんだろうな。」とつぶやいた。
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by canadianman | 2010-08-27 22:58 | 業務日誌

177 助っ人参上

■ ■ ■
杖をついたタミル人、ラヴィさんが来た。
「おおヤク、わしの写真はできてるか?おおよしよし。」
昨日注文した4つのフレーム入り写真を見て大満足している。
「やあ、お前は本当によく分かっているなあ!最高の色だよ。お前が日本に帰るまでにお前のボスにやりかたをちゃんと伝授しておいてくれよ。頼むぞ!」
その言葉、ボスに聞かせたいぜ~。

■ ■ ■
「アニキ、コンニチュワ。」
見習いのシャンタンが来た。
久々の登場だ。
今週は忙しいので助かる。

■ ■ ■
ベトナム人歌手のリンさんが来た。(176参照)
「ハーイTAQ。写真できてる?」
昨日の注文の写真を渡す。
「ありがとう。グッド。いい色ね。」
嬉しそうに写真を見ている。
そしてその中から10枚ほど選んで、
「TAQ、これとこれとこれをまたプリントしてちょうだい。」
と渡してくれた。
「OK。」
写真の裏に印刷されている番号をみて、
写真を読み込む。
「TAQ、この写真、ここまで大きく。背景きらい。そうそう、そう!パーフェス!」
癒される。

■ ■ ■
リンさんの写真を清算しているときに、
めが姉が来た。(176参照)
同じ自分の写真を撮ることが趣味のものとして、リンさんの写真が気になったのだろう。
「あなたの写真素敵ね。見せてもらってもいいかしら?」
とリンさんの写真を凝視し始めた。
「ワーオ!ナイスカラー。素敵ね~。美しいわ~。」
大絶賛だ。
リンさんは嬉しそうに、
「ありがとう。」
と言い、
息子を連れて店を出て行った。
「TAQ、あなた彼女の写真のときだけ本気でプリントしているでしょう。私のは適当にやってるでしょう。」
はあ?
しかも名前戻ってるし。
「いい、今日も写真お願いするけど、彼女の写真のようにセクシーに美しくプリントしてよ!頼むわよ!」
そう言われても・・・
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by canadianman | 2010-08-26 23:25 | 業務日誌

176 またその名前ですか

■ ■ ■
「ハイ、ヤク!」
杖をついたタミル人、ラヴィさんが来た。(167参照)
「元気か?久しぶりだなあ。今日はこのCDに入っている写真を印刷してくれ。」
ラヴィさんからCDを預かった。
パソコンにCDを挿入し、写真が表示するまで待つ。
頭の中であのセリフが思い出されて仕方がない。
今日はどうだろうか・・・
・・・
写真が表示された。
「よし。ヤク。これとこれの写真をだな・・・」
あれ?
このCDでよかったんですね。

■ ■ ■
今週は何故か異常に忙しい。
ラヴィさんの拡大プリントができぬまま次々とお客さんが来る。
証明写真のお客さんは写真だけバンバン撮って、
プリントの待ち時間にラヴィさんの写真を編集してと、
ひとりマック状態になりかけだ。

■ ■ ■
パソコンの前でラヴィさんの写真を編集していると、
ベトナム人男性がやってきた。
入口からささっと歩いてきて、
隣に座っているラヴィさんに話しかけた。
「パスポート、ピクチャ、とりたい。」
偉そうに座っているので彼をボスだと間違えたようだ。
ラヴィさんの後ろ姿を見ながらしばらく様子をみる。
「えっ何?」
聞こえなかったようだ。
「パスポート、ピクチャ、とりたい。」
この店に長く勤めているので、
彼の言っていることが理解できるが、
普通の人から聞くとなまりがひどすぎてベトナム語にしか聞こえない。
「君は中国語を話しているのか?」
ラヴィさんが質問した。
それは失礼だろ~!
あわてて対応した。

■ ■ ■
めが姉が来た。(171参照)
「ねえパックス、今日はこの間プリントしてもらった・・・」
パックスに戻っとるやないか!

■ ■ ■
ベトナム人歌手のリンさんが息子を連れて来た。(163参照)
リンさんはいつも自分が写った写真を大サイズでプリントしてくれる。
いろんな衣装を着て、いろんなポーズ。
普通のデジカメで撮った素人の写真だが、
なかなか素敵な写真だ。
「リンさんいつもいい写真撮ってるよね。誰が撮ってるの?」
聞いてみた。
すると隣にいた8歳の息子が、
「俺だよ!」
と得意げに言った。
「ほう、すごいなぁ。」
と適当にあしらうと、
「本当だって!お母さんに聞いてごらん。」
と言うのでリンさんの顔を見る。
するとニコっとして、
「そうよ。」
と答えた。
「え~!!!マジで?相当うまいよ!お前絶対プロカメラマンになれるぞ!保障するわ!」
すごい息子だ。

■ ■ ■
リンさんは写真のプリント中、
いつも隣にいて、
「ここはこうカットしてちょうだい。」
とプリント範囲を指示してくれる。
そして気に入ると、
「パーフェス!」
と言ってくれる。
「TAQ、ここ、手をカット。わたしの手アグリー。ノーハンド。」
「こうだね?」
「イェス!パーフェス!」
そして息子に、
「パーフェクトだろ。」
と突っ込まれる。
このパーフェスにはかなり癒される。
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by canadianman | 2010-08-25 23:42 | 業務日誌
■ ■ ■
太ったアンソニーアンダーソンが来た。*米映画俳優
でかい。
「証明写真を撮ってもらえるかな。」
しゃべり方は意外とソフトだ。
鏡の場所を案内してカメラをセットする。
ふと彼の横顔を見ると、
後頭部の肉が3重になっていた。
すごい。
「じゃああの椅子に座って。」
写真を撮影し、
できあがるのを待つ。
・・・
つれと話をしていたアンソニーがいきなり笑い始めた。
「アーハッハッハッハ。クーックックックック。ケッケッケッケッケ!ケッケッケッケッケ!ヒー!ヒー!ケッケッケッケッケ!ヒー!」
誰でももらい笑いしそうなすさまじい笑い声。
笑い声までアンソニーだ。
写真ができあがったので、裁断機でカットする。
写真を渡し、
お金をもらう。
「ありがとう。」
と彼と彼のつれをみると、
つれはウィルスミスだった。*米大物映画俳優
ふいた。

■ ■ ■
自分がボスであることをいいことに、
店のBGMはお気に入りのインターネットラジオを流している。
今日はJazz Funkにした。
う~ん調子がいい。
いい気分で写真をフレーミングしていると、
日本語の歌詞が聞こえてきた。
なにぃ~!
誰だ!
ワールドワイドな日本人は?
プレイリストを見ると、
「Momoe Shimano」
と書いてあった。
嶋野 百恵!
懐かし~!
青春時代がよみがえった。

■ ■ ■
今日トロントは久々の晴れだ。
この影響だといっても間違いないだろう。
今日のお客さんは「タチ」がいい。

■ ■ ■
イラン人のおばさんが来た。(109参照)
今日はデジカメの調子が悪いので見てもらいに来たらしい。
「で、何が問題なの?」
と尋ねると、
「フル電池、クイックパワーオンオフ、パワーオンオフ。」
なるほど、
新しい電池を入れてもすぐに電池がなくなるってことね。
このおばさんにはいつも癒される。
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by canadianman | 2010-08-24 22:59 | 業務日誌

174 そう言われても困る

■ ■ ■
めっちゃ怖い顔のマレーシア人、
G-Unitが来た。(097参照)
「おい、インドのビザ写真撮ってくれや。」
ぶっとい腕はタトゥーだらけ、相変わらずおっかない。
「いいよ。35mm x 35mmのサイズだね。」
「おお。よく分からんが、お前は知ってるはずだよな。違ってたら殺すからな。」
と冗談っぽく言ってきた。
こわ。
「ヘイ、バディ、お前はどの国から来たんだ?」*友達という意味
と聞かれたので、
「ジャパン。」
と答えた。
ほとんどの人はトロントでジャパニーズに会ったことがないので、びっくりしていい反応を示してくれるのだが、
G-Unitは、
「けっ。俺はジャパニーズを憎んでいる。大っ嫌いなんだよ。」
と言い放った。
何っ~?
「え~なんでだよ~!」
と聞くと、
「お前らジャパニーズは第二次世界大戦のとき、俺の国の人をたくさん殺してるからだ。」
と言われた。
ショック!
「うそうそ、からかっただけだぜ。バディ。」
と言われたが、
中には嫌っている人もいるんだよなあと、
今回の事は心に刻んでおいた。

■ ■ ■
月曜特有の大忙しの中、
黒人男性が2人来た。
一人はパスポート、一人は市民カード用の写真だ。
パスポート用の彼の写真はすぐに終わったが、
もう一人のタンクトップの黒人男性は、
「上に着るもの貸してくれよ。」
と言ってきた。
「もちろん。」
と言って黒のジャケットを渡すと、
「シャツは?」
と言ってきた。
「ハア?」
あるわけないだろうが。
「これにジャケットは不自然だろう。シャツはどこだ?」
「ないよ。着たいんだったら自分で持ってきなよ。」
と言うと、
「シーット!」
言い放ち、
勝手に店を物色し始めた。
なんやねんこいつ。
他にお客さんをたくさん待たせているので、
放っておいて他のお客さんの対応をする。
しばらくして、
「用意ができた。」
という男性の声が聞こえたので見ると、
ピッチピッチのシャツを着て、ネクタイをしている。
あ~!
それはお客さんの忘れ物!
どこまでずうずうしいやつだ。
その後も店で申請書を記入し、
勝手にホッチキスやペンを使うなど、
あきれたずうずうしさを見せた。

■ ■ ■
店の前を黒人の子供がゲホゲホ咳をしながら通った。
カナダで初めてマスクを見た。

■ ■ ■
もう一人の従業員、ガーヤが買っておいたペットボトルの水を飲みすぎて、
あと1本になってしまった。
やばい。
買わねばボスと同じになってしまう。
「5分で戻ります。」
の張り紙をし、
隣の隣の隣にあるチャイニーズマーケットへ行く。
水の箱をつかみ、
レジに並んでいると、
2人前が竹センだった。(147参照)
おもしろくてずっとニヤニヤしてしまった。

■ ■ ■
ラテン系のお兄さんが来た。
「マイフレンド。PRカードの写真を撮ってくれよ。」*カナダの永住権
「いいよ。じゃあそこに座ってください。」
椅子に座ってもらい、
パシャ
と写真を撮る。
「どういう具合に撮れたか見せてもらえるかな?」
と言うのでプリンタの画面で写真を見せると、
「・・・ 気に入らない・・・」
と言い始めた。
「気に入らないんだったらいいよ。撮りなおすから。」
と言うと、
「本当かい?じゃあこれはキャンセルしてくれよ。15分で戻ってくるから!」
と言って走って店を出て行った。
何?
撮りなおすんじゃなかったの?

■ ■ ■
40分後、男性が戻ってきた。
散髪してる~!
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by canadianman | 2010-08-23 22:55 | 業務日誌

173 メンソメダアセ

■ ■ ■
今日はもう一人の従業員ガーヤが出勤してくれたので、
昼から社長出勤だ。
店へ着き、
彼女が午前中に受けた注文を引継ぎする。
「この封筒に入っている写真は5x7で、この封筒のは8x12にコピーしといて。」
写真を見ると、
ボロボロになった白黒写真だった。
アジア人の青年が軍服を着、
戦車に乗っている。
恐らくベトナム戦争時代だろう。
驚いたのが、
その青年たちの顔がとても活き活きしていたことだ。
こんな無邪気な青年たちがアメリカとソ連の都合のために自国同士で戦わされ・・・
複雑な気分がした。

■ ■ ■
小腹がすいたので果物でも買おうと、
隣の隣の隣にあるチャイニーズマーケットへ行った。
今日は龍眼(ロンガン)でも食べようか・・・
と品ものを見ていると、
歯が2本のおばあちゃんが隣にいたのでふいた。(103参照)

■ ■ ■
「マイフレンド。お願いがあるんだ。」
黒人男性が入って来た。
彼のこと知っているぞ。
チャドの彼だ。(112参照)
「俺のこと覚えているかどうか分からないけど・・・」
男性がこう言ったので、
「分かるよ。チャド出身でしょ?」
と言ってびっくりさせた。

■ ■ ■
「アリガト!」
ビクターさんが来た。(131参照)
ガーナの言葉TWI語の師匠であるビクターさんは、
店に来るお客さんの中でも1,2を争う素敵なお客さんだ。
「僕あと3週間でお店やめちゃうんですよ。」
と言うと、
とても残念がってくれた。
自分の提案で二人で記念撮影をする。
ああなんか切ない・・・
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by canadianman | 2010-08-21 23:20 | 業務日誌

172 ラテン系

■ ■ ■
ガーナ人の香田晋が来た。
紺色のスーツを着て、スポーツタイプのグラサンをかけている。
「ガーナビザの写真を撮ってもらおう。」
このエリアでは服装と礼儀正しさが正比例していると言っても間違いない。
晋さんもこの法則にもれることなく素敵な紳士だった。
写真を撮影し、
プリンタの画面で色の校正をする。
ガーナビザの写真は3cm×4cmと、
比較的小さな部類に入る。
プリンタのプリントボタンを押し、
椅子を立とうとすると、
晋さんが自分の真横で画面を覗き込んでいてびっくりした。
うわっ!
おまけにグラサンを、
口まで下げて凝視していたのでふきそうになった。
晋さん器用。

■ ■ ■
黒人女性が入って来た。
全身赤い服で、
頭はボウズで金髪、
そしておしりだけで3歳児がすぽっと入るくらいの大きなお母ちゃんだ。
すごいインパクト。
「PRカードの写真撮って。いくら!」*カナダの永住権
案の定声の大きさもハンパない。
なまりからトリニダード人のようだ。
するとそこに以前来た事のあるトリニダード人のおばさんが入って来た。
新手のおばさんは、
大きな紙に色鉛筆でかかれたマリアの絵を持ってきて、
「これの写真を撮って、プリントしてちょうだい。」
と依頼してきた。
全然うまくないのでこのおばさんが描いたのだろう。
すると、
最初のおばさんが
「まあ、これあなたが描いたの?素敵ね~!」
と言い、
おばさん同士のおしゃべりが始まった。
まあ声のでかさがすごい。
連れの男性に声をかけたが、
「あん?あん?」
と何度も聞き返されるくらい、
彼女たちの声はでかかった。

■ ■ ■
アジア系の女性が来た。
「このフレームいくら?」
フレームを買いに来たようだ。
彼女の写真をフレームに入れてあげ、
レジを打つ。
すると、
「あなた韓国人?」
と聞かれた。
「ジャパニーズだよ。」
と答えると、
「ワタシハタイジンデス。」
と日本語が返ってきた。
「うそ~!!!すごい!」
「ワタシハニホンデハタライテイマシタ。東京で7年間タイレストランを経営していたのよ。」
「ああそうなの!すごいなあ。それで今はカナダなんだね。」
「そう。すぐそこのタイ式スパをやってるから今度来てよ。はい。これ名刺。」
万年肩こりなので今度行ってみようかな・・・

■ ■ ■
ラテン系の家族が来た。
子供は2歳の女の子と7歳くらいの女の子の2人だ。
「ハローアミーゴ。この子の写真を撮って、小さくプリントして欲しいんだが、お願いできるかい?」
とてもフレンドリーで典型的なラティーノのおっさんだ。
「もちろんできますよ。じゃあ準備しましょう。」
お母さんが娘の衣装を取り出して、
娘に着させる。
その間にスタジオの準備だ。
「ウギャー!」
まるで拷問にかけられているような悲鳴が店内に響き渡った。
女の子が断固としてドレスを着るのを拒否している。
「WHY?パトリシア。写真だよ。写真。」
「ウギャー!」
その小さい体のどこからそんな大きい声がでるのかとビックリするくらい大きな声で抵抗している。
「ほらパトリシア。」
最初は余裕のあったお父さんたちがだんだん不機嫌になっていく。
「ごめんよアミーゴ。」
「いいよいいよ。大丈夫。それより今日は難しそうだねえ・・・」
「アンビリーバボー。アンビリーバボーだよ。パトリシア、何があったんだい?」
何故かは分からないが、
カメラ、写真をひどく怖がる子は決まって2歳児だ。
今までこういう子を何人も見てきたので、
「この年頃の子は何故か怖がるんだよね。しょうがないねえ・・・」
と、遠まわしに次回にしましょうと言ったが、
お母さんは諦めない。
無理やり服を着せ、
娘を真ん中に立たせる。
「ウギャー!」
恐怖でおびえまくっている娘。
そこでお母さんは、
手を叩きながら歌を歌い始めた。
さすがラテン系。
歌のうまさがハンパじゃない。
しかしもちろん効果なし。
泣きじゃくる娘を撮影し続け、
なんとかプリントできそうな写真が撮れた。
「ありがとうよ。アミーゴ。」
写真ができあがるまでの間、
世間話をしていると、
お父さんはチリ出身、お母さんはキューバ出身だということが分かった。
お姉ちゃんの写真は素晴らしい出来だったので、
「君はほんとうに素晴らしいよ!モデルになれるよ。」
とお姉ちゃんを褒めると、
「半分は俺からできている。」
とお父さんが嬉しそうだった。
泣きじゃくっていた娘も自分の写真を手にとり、
興味津々で覗き込んでいた。
あ~面白かった。
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by canadianman | 2010-08-20 22:41 | 業務日誌

171 カナダの親戚が来た

■ ■ ■
ベトナム人家族が来た。
双子の女の子、中学生くらいの男の子、お母さん、そしておばあさん。
あれ?
このおばあさんは見たことがあるぞ・・・
・・・
思い出した。
親父のお母さん!(163参照)
ニセばあさんだ!
ということはこの女性が親父の奥さん。
つまりこの子供たちは俺の兄弟。
元気か兄弟たち!
顔をよく見たがこれっぽっちも似ていなかった。
しかしやたら向こうが自分に親近感をいだいているような雰囲気は感じ取れた。
向こうも似てると思ったのかな。

■ ■ ■
黒人男性が来た。
「パスポートピクチャ、ハウマッチ。」
「これこれでいくらです。それプラス消費税。」
と説明する。
「WHY?WHY消費税?」
「カナダだから。」
「なんでそんなに高いんだ!」
「これが値段だから。」
冷たくあしらう。
一日に数回は値段のことでバトルがある。

■ ■ ■
ベトナム人男性が来た。
自分の顔を指差しながら、
「パスポートピクチャー、ハウマッチ。」
と聞いてきた。
「これこれでいくらです。それプラス消費税。」
「高いの~。」
「いい写真撮るから。はいじゃあ座って。」
ベトナム人のおじさんとバトルに発展することはまずない。

■ ■ ■
ベトナム人女性が来た。
赤ちゃんのパスポート写真だ。
まだ3ヶ月の赤ちゃんなのに、
ものすごいおっさん顔だ。
その貫録は部長クラスと言ってもいいだろう。
部長は白いTシャツを着ていたので、
「ああ、白い服はだめなんだ。ほら背景が白でしょう。他の服持ってる?」
と服を着替えてもらうように頼んだ。
ちょうど着替えを持っていたようで、
お母さんが服を着替えさせる。
なにげに見ていると、
お尻がチラッと見え、
青いアザがあった。
おお!
蒙古斑!
「へえ~!君たちにもあるんだこのマーク!僕らの赤ちゃんにもあるよ。かわいいな~。」
まだまだ尻の青い部長であった。

■ ■ ■
午後6時から客足がピタッと止まった。
もうどうせ今日は来ないだろう。
店じまいだ。
いつもより30分早くプリンタの電源を落とし、
後ろの部屋でトナーを洗う。
すると聞き覚えのある声で、
「ヘーイ、TAQ!ハロー?」
と呼ぶ声が聞こえた。
「はーい。」
と出て行くと、
めが姉が立っていた。(170参照)
おっ覚えてる!
プリンタの電源を落としたことを言い訳に、
彼女の延長戦を回避できたのでよかった。
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by canadianman | 2010-08-19 12:01 | 業務日誌