カナダ一治安の悪い交差点にあるフォトスタジオで働く日本人の業務日誌


by canadianman

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071 わしづかみ

■ ■ ■
ルワンダ人のマリアムが来た。(060参照)
「ハーイ!マイフレンド!久しぶりね!」
いつも世間話だけして帰っていくのだが、
今日は写真数枚とアルバムを買ってくれた。
ちょっと元気がないので、
「疲れているの?」
と尋ねると、
「2週間前にお姉さんが亡くなったの。でも帰ることができなかったわ・・・とても悲しい。」
それでも明るくふるまって就職活動を続けているマリアムはすごいと思った。

■ ■ ■
「ウォホテセン?(ガーナの言葉で元気?)」
と言って黒人男性が入って来た。
昨日来てくれたガーナ人のおじさんだ。(070参照)
「ミホイェ(元気だよ。)」
と返す。
「彼は本当にいいね!いい青年だ。雇って正解だよ。お客さんが増えると思うよ。」
とボスに言ってくれていた。
嬉しい。
給料あげてくれ~。

■ ■ ■
スキンヘッドの黒人男性が来た。
パスポート写真が欲しいとのこと。
暇そうにしていたボスが対応した。
「頭を真っ直ぐにして。」
と座っている男性に言う。
多くのお客さんは、自分が首を真っ直ぐ伸ばしているつもりでもちょっと傾いているからだ。
自分の場合、
口で言っても直らないときは、
「ちょっとごめんね。」
と言って右手を頭、左手をアゴにそえて優しく角度を調節するが、
ボスの場合、
ハゲ頭を右手でわしづかみにして手加減なしで角度を調節する。
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by canadianman | 2010-03-31 22:04 | 業務日誌

070 あなたの名前は?

■ ■ ■
アジア系カナディアンのお姉さんが来た。
ちょうど出かけるところだったボスが対応する。
急ぎのプリントのようだ。
彼女の写真の校正までしてからボスが出かけていった。
ちょうど仕事のランチタイムで出てきているらしく、プリントができあがるまでの待ち時間、隣に座ってランチを食べている。
にんにくの香り・・・
見ると餃子のようなシュウマイのようなものを食べていた。
う~
腹が減ってきた~。
「いいにおいがするのでお腹が減ってきたよ~。それどこで買ったの?」
と尋ねると、
「ああごめんね~。近くにチャイニーズストアがあるでしょ?あそこに売ってるわよ。」
とのこと。
ほう、確かにそういう手もあるなと関心していると、
「ちょっと出てくるわね。」
と言って外に出て行った。
5分後、彼女が戻ってくると手にはなんとあの餃子風の食べ物。
「はいこれ。ランチ楽しんでね~。」
と言って笑顔で帰っていった。
なんて優しいお客さんだろうか!

■ ■ ■
見覚えのある黒人女性がチキンをしゃぶりながら登場した。
誰だっけ・・・
・・・

エイドリアンの嫁だ。(020参照)
最初から最後までずっと骨をしゃぶっていた。
ガム感覚。

■ ■ ■
黒人のおばさんが来た。
ガーナ人っぽい。
今日もガーナの言葉、TWI語を試してみよう。
会話の中からガーナ人だということを確かめてから、
「ウォホテセン?(元気)」
と聞くと、
「エーイ↓!(多分びっくりしたときに言う)ミホイェ(元気だよ。)」
と返ってきた。
ちょっと嬉しそうだったが、やはりタミル人にタミル語で話しかけるときよりもリアクションがいまいちだ。
初歩中の初歩なので、それくらいいくらでもしゃべれる人がいるのだろう。
「座ってください。」
くらいは言えるようになりたいと思った。

■ ■ ■
黒人のおじさんが入ってくるなり、
「もうトレーニングは終わったか?」
と聞いてきた。
あんまり覚えていないが、トレーニング中に来てくれたお客さんのようだ。
「どうだい。上手になったかな?」
見守ってくれてる感がいい。
世間話から、日本の話題になった。
おじさんは日本をべた褒め。
どうやら友達が日本で働いているらしい。
本当にいい話しか聞かないので誇らしい。

■ ■ ■
黒人の親子が来た。
写真のプリントが終わったが帰ろうとしない。
どうやら人と待ち合わせているようだ。
「ちょっとここで待たせてもらえる?」
全然OKと入口の椅子に座ってもらい、パソコン作業を続行する。
4歳くらいの女の子が隣まで来て足にくっついてきた。
「ねえねえ。私の名前のスペル知ってる?」
「う~ん。わからないな~。教えてくれる?」
「A・F・I・A」
「そっか~アフィアちゃんか~。」
ペンを貸して欲しいというので、渡すと紙に自分の名前を書き始めた。
覚えたてのアルファベットでかわいらしい字だ。
「あなたの名前はなんていうの?」
と聞かれたので紙にTAQと書いて、
「TAQだよ。」
と教えてあげた。
すると
「T・A・Q」
と言いながら紙にTAQと書いてくれた。
かわいすぎる。
色んな人種の子供を見るが、黒人の子供は人懐っこい子が多くてかわいい。
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by canadianman | 2010-03-30 22:04 | 業務日誌

069 ゆかいな仲間たち

■ ■ ■
土曜に教えてもらったガーナの言葉、TWIを試してみたくてしょうがない。
毎日たくさんのガーナ人のお客さんが来るというのに、今日はまだ一人も来ていない。
と思っているところへ黒人のおばさんが来た。
頬に傷があるのでガーナ人かもしれない。
世間話からさりげなく出身を聞いてみる。
「ガーナ。」
よしきた。
さっそく試してみる。
「ウォホテセン?(元気ですか)」
通じるだろうか・・・
「ミホイェ。(元気だよ)」
おお。通じた!
しかしおばさんはそう驚きもせず、目の前でたんたんとヅラをかぶり始めた。
ヅラは帽子感覚なんだなということ、ガーナ人はわりとドライなんだなということが分かった。

■ ■ ■
黒人のおじさんが来た。
入口のところで、
「ヘイ。元気かい?俺の写真が横になっちゃってるじゃないか。」
と機嫌よく話しかけてきた。
オーライおじさんだ!(046参照)
彼のスタジオ写真を入れたフレームが入口の所に横向きで飾ってあったのだ。
「なかなか写真をとりにこられなくて悪かったね。2週間になるかな。」
と言うので、
「いいえ。3週間はゆうに越えていますよ。」
と言って写真を手渡した。
もちろん受け取るときにトレードマークの
「オーラィッ」
が聞けた。

■ ■ ■
腹が減った。
今日は何を食べようか・・・
とりあえず何が食べたいか分からぬまま隣の隣にあるベトナミィーズレストラン、越南美食へ向かう。
いつものおっさんに挨拶する。
「今日は何にするんだい。マイフレンド。」
最近、やたら白米が食べたいのでメニューの白米コーナーとにらめっこする。
「う~ん。ビーフとライスが食べたいんだけどね~。」
「オーケー。バーベキュービーフとライスだな。メニューにはないが、特別に作ってあげるよ。」
おおお。
VIP待遇だ~。
日本のホカ弁のような感じでかなりのヒットだった。

■ ■ ■
マシュマロマンが来た。(067参照)
「ハアイ」
と声をかけると、
「おまえ、こないだ言った事ボスにちゃんと伝えたか?」
と聞いてきた。
息子を殴ること・・・
「まだ言ってないです。」
と言うと、
「言っておけよ。」
と言ってプリント注文機でプリントする写真を選び始めた。
10分後、300枚もの写真を選び終え、注文シートを受け取る。
今日も注文シートの名前はZ、
電話番号は3だった。

■ ■ ■
2時間後マシュマロマンが戻ってきた。
作業中のボスを発見した彼は、
集中しているボスの横で踊り始めた。
完全に無視しているボス・・・
笑いをこらえながら写真を渡す。
支払いはデビッドカードで支払うとのことなので、マシンにカードを挿入し彼に渡す。
「Yes!」
「Yes!」
とボタンをひとつ押すたびに大声でどなっていた。
トロントで一番おもしろい人だと思う。
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by canadianman | 2010-03-29 22:09 | 業務日誌

068 ウォホテセン?

■ ■ ■
今日は店を開けるべく、久々に朝の9時半出勤だ。
眠い。
ドアを開けようとしていると、車に乗っている人と目があった。
あ。お客さんだ。
今日は朝から急がしそうだ・・・

■ ■ ■
お客さんが入って来た。
「俺の写真できてる?」
「え?何のことですか?」
「昨日君のボスにプリントするように頼んだんだけど、プリンターが壊れていたのでそのときできなかったんだ。夕方取りに来いって言ってたからもうあると思うんだけど・・・」
でた。また連絡なし。
この手の尻拭いを一体何度しただろうか。
こちらからボスへの連絡ミスは皆無だというのに・・・
「すみません、急いでやるのでちょっと待ってもらえますか?」
「なにぃ~。またか~!君のボスは全然ダメだね。今度会ったら殺してやる。」
ボディーガードを雇った方がよさそうだ。

■ ■ ■
スタジオ写真を撮りにきたタミル人の若者が日本人の友達そっくりでわろた。
女好きという点もそっくりだった。

■ ■ ■
中国人のおばさんが来た。
「コレいくら!?」
と無愛想に言い放ち、カバンの中から薬の瓶を出し、頭上へかかげた。
え?クイズ?
と思ったら、
フィルムと間違えていたようだった。
恥ずかしそうだった。

■ ■ ■
友達そっくりのタミル人の若者が写真を受け取りに来た。
彼の連れにどこから来たかと聞かれたので、
「ジャパン。」
と言うと、
「日本は最高だね。それで君がナイスなのか~。」
との評価をもらった。
やっぱり日本の評価はすごい。

■ ■ ■
今日は土曜なので、駐車場が車でごったがえしている。
ご存知のようにここはゲトーエリアなので、車のクラクションが常になっている。
おまけに駐車がみんなへたくそで見ていてイライラする。

■ ■ ■
スキンヘッドの黒人男性が来た。
写真をプリントしたいとのことなので、プリント注文機の使い方を教えるため彼の隣へ行く。
「このプラスボタンを押してください。」
と説明する。
「ありがとう。」
とても礼儀正しい人だ。
おしゃべりが好きな人のようで、写真を選びながら話しかけてくる。
「ところで君の名前はなんだい?」
「TAQです。」
そう言うとニコっと笑って。
「TAQか~。それは覚えやすい名前だ。」
そう言って、また写真を選び始める。
なにやらぶつぶつひとり言を言っているなと思って耳を傾けると、
注文機のボタンを押すたびに、
「TAQ。TAQ。TAQ。」
とつぶやいていた。

■ ■ ■
黒人男性が写真を選び終えた。
「この枚数なら20分ですね。7時半閉店なので、それまでには来て下さい。」
と言って控えを渡す。
「ところで君はどこの出身かな?中国?」
と聞かれたので、
「ジャパンです。」
と答えた。
すると、
「お~ジャパン!君たちはなんで全てのレベルがそんなに高いんだい?君たちの技術は素晴らしいよ。」
と大絶賛してくれた。
「死ぬほど働いていますからね~。」
と言ったら、
「なるほど~。」
と笑っていた。
「君たちの言葉でThank Youは何というの?」
と言うので、
「アリガトウ。」
と教えてあげた。
「じゃあ30分後にくるからアリガトウ。」
と言って店の外に出た。

■ ■ ■
30分後、先ほどの黒人男性が戻ってきた。
写真をしげしげと見る。
クオリティにとても満足してくれたようだ。
よかった。
「僕は93年にガーナからカナダに来たんだけど、88年くらいかな、サトシ・タカハシと言う医者の学生がいてね、彼がとてもいい人だったので、日本人が好きなんだよ。彼に日本語教えてもらったんだけど、忘れたなあ。」
「さっき聞いたばかりだけど、もう忘れちゃった。Thank Youって何て言うんだっけ?すぐ忘れちゃうから紙に書いてもらえるかな?」
そしてそこから外国語の授業がはじまった。
ガーナ人について疑問に思っていたことがたくさんあったので、この際聞いてみようと色々質問してみた。
まとめると、
・ガーナには50もの異なる言語がある。
・いろいろな部族がいるのに、ヨーロッパに支配、分割されたのでむちゃくちゃ。特に国境は地図上に線を引いて決められているので、同じ部族なのに違う国に分かれてしまった人もたくさんいる。
・顔に傷があるのはその部族の印。ほほを傷つける部族、目の横に線を書く部族、それぞれが独自のマークを持ち、ガーナ人同士は見ただけでどの部族出身か分かる。
・たくさんの言語があるが、なかでもTWIと呼ばれる言語が一番広く使われており、その頻度は約60%。彼の部族はAKAN族で、TWIを話す。
・・・等
感動だ。
同じガーナ人でも、とても失礼な人と、とても明るくフレンドリーな人とに分かれているので不思議に思っていたが部族の文化が関係しそうだ。
TWIであいさつは
「ウォホテセン?」
今度使ってやろう。
「メダアセ(ありがとう)。」
と言ってビクターさんを送った。

■ ■ ■
金をもらいながら勉強ができてなんて最高なんだろうと思いながら掃除をしていると、
コンコンとドアをノックして
ビクターさんが帰って来た。
忘れ物でもしたのかなと思ったら、
「メダアセってThank Youと言う意味だってちゃんと紙に書いたっけ?」
と息を切らせていた。
そっそのことのために走って戻ってきたのか~!
なんていい人だろう。
「あ。大丈夫ですよ。ちゃんと書いてあります。メダアセ!」
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by canadianman | 2010-03-27 21:42 | 業務日誌

067 パノラマモード

■ ■ ■
出勤すると、Noritsuの技術者がいるだけで、ボスがいなかった。*Noritsuはうちの店で使っているプリンターのメーカー。
「あれ?ボスはどこ?」
と聞くと
「コーヒー買いに行ったよ。」
とのこと。
もしお客さん来たら彼に対応させるつもりだったのか~。怖~。

■ ■ ■
今日はボスにとってさんざんの日のようだ。
フラッシュが発光しない、プリンターは壊れる。
しかしそんなときはしょうがないと、変にイライラしないところは彼のいいところだ。
コーヒー2つ、グリーンティー1つを持ってボスが戻ってきた。

■ ■ ■
「TAQ、ちょっとこっちへ来い。」
いつものように呼ばれ、なんじゃいと行ってみる。
「ほらこれ見てみろ。この写真はちょっと黄色がかっているだろう。こうして青のフィルターをかけてだな~・・・」
なぜか頼んでもいないのにレッスンが始まった。
あれ?娘は来ていないぞ・・・
と思ったら、Noritsuのおっさんに目がいった。
なるほど・・・

■ ■ ■
2時間ほどの修理でマシンが直り、ボスはどこかへ出かけていった。
仕事をしていると、プリントのオーダーシートを発見した。
「あ。これはプリントしておかないといけないやつだな。」
ボスに確認の電話をすると、Goサインがでたのでプリントを始める。
さて何枚あるのかとオーダーシートを見ると108枚。
まあまあの量だ。
そして名前をみると
「Z」
まっまさか・・・
と思って写真を開くと、
黒人のパーティー写真でしかもパノラマモードだった。
間違いない。ヤツだ。(053参照)

■ ■ ■
ジャマイカ人のおじさんがジャメイカンパスポートの写真を撮りにきた。
とても早口で、言っていることの30%しか理解できないが、うんうんと愛想笑いでごまかす。
鏡の前でネクタイをしめはじめ、10分、やっと彼の準備が整った。
白のシャツでキメていたので、店のジャケットを渡し、
「これ来てもらえる?白の背景だから、白いシャツはダメなんだ。」
と言う。
すると、
「だめか?だめなのか?知らなかったよ。う~ん。これは着たくないから着替えてくる。家が近いからすぐだし。明るい色のシャツはダメなんだな。よし分かった。」
いいおじさんで、文句のひとつも言わずに帰って言った。

■ ■ ■
今日も外で白い落ち武者が通行人に金をねだっている。(061参照)

■ ■ ■
また来てくれると言っていた、感じのいい黒人のおばさんが来た。(065参照)
前回撮った写真を違うサイズに印刷して欲しいとのこと。
用紙を見せてもらうと、Barbadosと書いてあった。
よし!
久々に新しい国追加。
バルバドス。

■ ■ ■
着替えてくると出て行って1時間後、ジャメイカンのおじさんが戻って来た。
「よし、今度はばっちりだ。」
10分かけてネクタイをしめる。
さっきと同じ白いシャツだ。
自前のジャケットをはおり、
「よし。じゃあ撮ってもらおうか。」
やっと撮影できたが、うちのジャケットとどう違うのか分からなかった・・・

■ ■ ■
マシュマロマンが来た。
やはり読みは当たっていた。
「写真できてるよ。ほら。」
と言って写真を渡す。
そしてオーダーシートにある値段そのまま請求する。
「ちょちょちょ、ちょっと待て。なんでその値段になるんだ?」
とマシュマロマン。
「だってここに書いてあるから。」
と言って払わせる。
「ちくしょ~。ボスが帰ったら言っておけ。今度お前の息子を殴ってやる。いいか。分かったな。」
と言って帰っていった。
友達になりたい・・・
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by canadianman | 2010-03-26 22:29 | 業務日誌

066 チャイニーズマヒア

■ ■ ■
今日もFinch Av.沿いを歩いて出勤していると、パトカーが一台停車し、その後ろに乗客を乗せたバスが止められていた。
なんだろうと思いながら歩いていると、今度は消防車が2台さっきの場所へ走って行った。
だいぶ歩いてきたので遠くてよく見えないが、どうやら道全部を封鎖しているようだ。
発砲事件?バスジャック?爆発物?
いろいろな妄想をいだきながら店へ向かった。

■ ■ ■
黒人のおじさんが来た。
かなり無愛想に、
「パスポート写真はいくらだ?」
と聞いてきた。
こうこうこういくらですと説明する。
「お前見たことないけど、ちゃんと写真撮れるのか?大丈夫か?」
大丈夫だと説明するが、イマイチ信用してくれていない。
写真を撮影し、プリントする。
待ち時間の間、おじさんが話しかけて来た。
「君中国人?」
「いやジャパニーズです。」
と言うと、急に顔が緩み、
「ほう~。日本から~?なら大丈夫だ。」
なんだそれと思いながらも、今日も日本の評価の高さを認識した。
写真が気に入ったみたいで、大サイズの注文ももらった。
へへ。

■ ■ ■
黒人のおばさんが来た。
できあがった写真を市民カードサイズに裁断する。
おばさんは、
「なんて美しい女の子なの」
と自画自賛していた。
苦笑しながら、
「美しいですね。」
と言っといた。
市民カードには直筆のサインを写真下に書かねばならない。
「写真にはみ出さないように慎重にサインしてね。」
4枚のうち2枚を渡してサインしてもらう。
「あ。失敗した。」
「あと2枚あるから大丈夫。今度は失敗しないでね。」
そう言って残りを渡す。
・・・
どれも若干右端が切れている。
2人で写真を見ながら悩む。
「分かった。これ全部送るわ。そして彼らにいいのを選ばせよう。」
ナイスアイデアだけど2枚送れって指示あるからダメでしょ~。
うまく受理してもらえるといいが・・・

■ ■ ■
辺りが暗くなってきた頃、黒いスーツを着たアジア人のおっさんが店の前を通った。
と思ったら5人くらい通った。
と思ったらまた5人くらい通った。
と思ったら5人くらい引き返してきた。
なんやねん。
合計20人くらいのアジア人のおっさんが店の前をうろうろしている。
しかも通る際に店の中を覗いてくる。
チャッチャイニーズマヒアか。
どう考えても一般人ではない。
5分くらいうろうろして、いなくなった。
ほっ

■ ■ ■
30分くらいしてチャイニーズマヒア御一行が戻って来た。
自分から見て店の右側から歩いてくる。
無線で連絡を取り合っている風の男、車の前で見張っている風の男たちも見える。
ボスらしきバーコードハゲのおっさんを見るとつまようじをくわえていた。
越南美食ツアーか~い!
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by canadianman | 2010-03-25 21:37 | 業務日誌

065 ブラックアウト

■ ■ ■
バケーションをとっていたので、5日ぶりの出勤だ。
気分は重い。
久々に顔を合わすボスはちょっと優しかった。

■ ■ ■
黒人男性が来た。
自分の勘では顔つきからしてソマリア人だ。
「俺の友達のパスポート写真を受け取りに来たんだけど・・・」
確かソマリア人のパスポート写真が忘れ写真ボックスに入っていたような・・・
あった!
「これでしょ?」
と渡すと、
「えええ!何で何も言わないのに分かったんだい?」
とびっくりする男性。
「ソマリア人のことよく分かってるからね~。」
と得意げに言ってみた。
「君どこの出身?」
と聞かれたので、
「ジャパン。」
と言うと、
「ナカタ!」
と言ってきた。
でも、
「野球の選手だろ?」
と言っていた。

■ ■ ■
アジア人のカップルが来た。
USBメモリから写真をプリントしたいらしい。
しかしプリント注文機がデータを読み込まない。
おかしいなと思ってみると、ファイル名がハングル文字だった。
アルファベット以外は受け付けないようだ。
パソコンで一度ファイル名を変更すると、無事プリントすることができた。
写真を渡すときに
「カムサハムニダー。」
と言うと、
「アリガトウ」
と返ってきた。

■ ■ ■
ずっと待ってもらっていた、ちびっことお母さんの接客をする。
「ごめんなさい、待たせちゃって。何の写真が欲しいの?」
と聞くと、
「オーストラリアのビザ。」
とのこと。
やった新しい国!
と一瞬思ったが、よく考えると外国人がオーストラリアに行くために必要なものがビザで、彼女らはごく一般的なカナディアンだった。
まずは子供を座らせる。
ちょっと機嫌が悪くて泣きそうだ。
泣いたら長引くので、お母さんと共同作業でがんばる。
するとお母さんが子供の手をにぎりながら、
「あなたの名前はなあに?言ってごら~ん。ワ・タ・シ・ノ・ナ・マ・エ・ハ・ジェシカ・デ・ス。」
と日本語が飛び出した。
さっきのアリガトウを聞いて、日本人だと知っていたのだ。
それにしてもそのアプローチの仕方は斬新!オシャレ!
「すごい。にほんごがしゃべれるのですか?」
と尋ねると、
「チョットダケ。トウキョウニ3ネンカンスンデイマシタ。」
とお母さん。
実は思っているより日本語を知っている人は多いのかも知れない。
自分が中国人だと思われているからその機会がないだけかも・・・

■ ■ ■
白い落ち武者がお客さんに
「すみません・・・」
と丁寧に話しかけて無視されていた。(061参照)
しかもあのときと同じお客さん。

■ ■ ■
今日もパイナップル頭が指さされて笑われていた。(039参照)

■ ■ ■
黒人の浮浪者が店の前を3往復した。(063参照)

■ ■ ■
パスポート写真を撮った黒人のおばさんに、
「またスタジオ写真を撮りに来るわね。あなたのこと気に入ったから。」
と言ってもらえた。
嬉しい。

■ ■ ■
黒人のおじさんが来た。
彼は常連客で、最高にタチの悪い男だ。
今日も支払いをめぐって大ゲンカ。
金を先に払え、いや先に写真を渡せと、まるで発展途上国の店先だ。
もちろん普通のお客さんなら、後払いでも全く問題ないのだが、
彼の場合スタジオ写真を撮ってプリントして、それを見て
「やっぱ気に入らないのでいらない。」
と言って帰ることがあるからだ。
もちろん最初から金払えなんて失礼な態度はとらない。
しかし彼はああ言えばこう言うタイプで絶対に言うことを聞かないのだ。
どんどん声が大きくなって、
「お前はアホか?ワシの言ってることが分からんのか!」
なんて言うから
こっちも、
「あんたのことが信用できないからだろうが!金払ったらプリントしてやるって言ってるだろうが!」
とまあ日本では有り得ないバトルを10分近く繰り広げた。
なんとか全額払わせたが、休みあけにはきつすぎる・・・
バトルを終始見ていた黒人の学生が、
「彼っていつもああなの?トラブルメーカーだね~。カスタマーサービスはナイスに接しないといけないけど、同時にお金をきちんと管理しないといけないから、本当に大変だよね~。」
と同情してくれた。
ありがとう。
なぜか帰り際握手を交わした。

■ ■ ■
タトゥーの姉ちゃんが来た。(045参照)
間違えたタトゥーを彫りなおして、また撮影してきたようだ。
「タトゥーなおったんだ。コイフィッシュだね。」

■ ■ ■
閉店10分前の8時50分、
バン。
辺りが真っ暗になった。
停電じゃ~。
店が位置するショッピングセンター全ての電気が落ちている。
真っ暗で何も見えない。
今強盗が襲ってきても誰にもばれない。
怖い・・・
エリアがエリアなので緊張はピーク。
「そっそういえば、旅行先でキーホルダー大のミニライトをもらっていたんだった。」
外から差し込む明かりをたよりにカバンのところまで行く。
外のポケットに手を突っ込み、ライトを探す。
あった~!
いざというときにあると助かる。
と思いながらフタを外すと、
リップクリームだった。
携帯電話で照らしながらカギをかけ、急いで帰った。
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by canadianman | 2010-03-24 23:11 | 業務日誌

064 パリパリののり

■ ■ ■
今日は珍しくお昼からお客さんが多い。
出勤したばかりなので流れが把握できず、ミスってしまいボスにガンギレされた。
理不尽なことで怒られるとなんじゃいと思うが、ミスると結構へこむ。

■ ■ ■
相変わらず客が多くて頭が混乱中のときに、
プリント注文機の前にいるアジア人女性に目が止まった。
写真を選び終えたようだ。
レシートを受け取ろうとすると。
「コンニチワ。」
と日本語で話しかけられた。
ここ最近、店で日本語を聞く機会が多いので、びくっとするまでは驚かなかったが、それでもびっくりした。
「おお!日本の人ですか!こんにちは。」
彼女は先日来てくれた日本人女性の友人で、業務日誌を見て来店してくれたらしい。(059参照)
嬉しすぎる。
店が暇だったら、ずっと日本語でおしゃべりしたいところだが、残念なことに店が忙しい・・・
しかしちょっと良かったのはボスがいつも通りだということだ。
「30分後に来てもらえますか?」
そういって彼女を送ろうとすると、
「これ、ボスと2人で食べてください。」
と言ってお茶とおにぎりを差し入れしてくれた。
気を使っていただいて本当に申し訳ない。
3時にまた来るということなので、そのときにパイナップル頭を見てもらうことにしよう。

■ ■ ■
「今日は約束があるのに、お前のミスのせいで遅れるじゃないか!」
とイライラしながらボスが去って行った。
はいすんません。

■ ■ ■
パタッと客足が止んだ。
このムラは何なのだろうか。法則が知りたい。

■ ■ ■
さっきから日本人のお客さんに差し入れしてもらったおにぎりのことで頭がいっぱいだ。
ボスが帰るの待ってから食べようか、いや水筒を返さないといけないからそれまでには終わらせないといけないし・・・
まるでパブロフの犬のように口の中がよだれでいっぱいだ。
というのも約1年もおにぎりを食べていないからだ。
よし食おう。
奥の部屋へ行き、袋を開ける。
なっなんと、焼き海苔が別途ラップで巻かれている。
感動しながら1年ぶりの手作りおにぎりをほうばる。
しっしみる~
見ず知らずの日本人を気遣っておにぎりを作ってくれる思いやりの心。
嬉しさとおいしさで、涙が出そうになった。
子供の頃バカにしてごめん。
とおにぎりにも感謝した。

■ ■ ■
推定身長185cmの黒人の女の子を激写しているところに、日本人のお客さんが帰って来た。
撮影が終わるまで待ってもらい、できあがった写真を渡す。
「おにぎりありがとうございました。」
ボスに食べさせてやれなかったのが残念だ。
ちょうど暇なので、パイナップル頭の慰霊、オーライおじさん未回収フレーム等を見ていただく。(039046参照)
するとそこにちょうどボスが戻って来た。
「彼女がボスに差し入れしてくれてるよ。」
と言ったが、
「いや、俺今食ったばかりなんだよ。」
と言って食べなかった。
このやろう。と思ったが仕方がない。
「今度は友人と来店しますね!」
と言って彼女は帰っていった。

■ ■ ■
夕方仕事が一段落し、暇になったので、
「彼女の持ってきたライスボール食べなよ。」
とすすめる。
すると、
「いや~。俺日本料理ダメなんだよ。あのナンだ。緑色のやつがあるだろ?あれはすごいわ。はじめて食ってびっくりしたもんな。」
わさびのことか。
「いやいやわさびは入ってないから、食ってみろって。カモーン!」
とさんざんすすめたが、
「いやいやお前が食べろ、せっかく作ってくれたんだろう。」
と言って食べなかった。
食わず嫌いか、気遣ってかは不明だが、恐らく前者。
また涙をこらえておにぎりをほうばる。
「何だこの黒いの?」
海苔も知らんのかい!
「ほれほれ。」
と海苔を食べさせようとしたが、ダメだった。
ちぇっ。

■ ■ ■
7時ごろ、ボスの娘たちが来た。
またいつもの様にはりきりはじめる。
そしていつものように娘たちはおしゃべりに夢中で、全然おやじの姿を見ていなかった。
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by canadianman | 2010-03-18 21:54 | 業務日誌

063 春

■ ■ ■
出勤するなりボスが、
「TAQ!あそこのコンビニに行って牛乳と6/49を買って来てくれ。」*カナダのロト6
と言って5ドル札を渡して来た。
またかいな。

■ ■ ■
ボスが珍しく家から持ってきたランチを食べている。
立っているのは、いつもの定位置である奥の部屋の入口だ。
口に食べ物がいっぱい入ったまま、
「TAQお前メシ食べたか?」
と聞いてきたので、
「1時間前にパン食べたから今はお腹減ってないや。」
と答えた。
「お前パンに何つけた?ジャムか?」
なんやねんそれ。と思ったが、
「ピーナツバター。」
と答えた。
すると、そっかぁ的な顔をして何も言わなかった。

■ ■ ■
パソコンで作業していると隣の椅子にボスが座ろうとしてきた。
と思ったらそのまま椅子から転げ落ちた。
「お~とっとっと。」
とボスの手のランチとボスの体を見事キャッチして体勢を立て直してあげた。
ショックだったようで、ちょっと静かになった。
何事もなく接したが、頭の中で「これ日誌に書いてやろ。」とニヤニヤして考えている自分が悪魔に思えた。

■ ■ ■
おかんと娘が来た。
アジア系のようでもあるし、南アメリカ系のようにも見えるこの親子はよくうちへ来てくれるお客さんだ。
おかんが陽気で最高のキャラだ。
「ハーイ。TAQ。元気?」
名前を覚えてくれていた。嬉しい。
「元気だよ。あれ?他の娘たちは?」
「今日はこの子のパスポート写真だけ撮りにきたの。他の子のは今必要ないから今度撮りに来るわ。」
娘を撮影し、プリントし、カナディアンパスポートサイズに写真を切って渡す。
「ハイ。」
「ねえ。これ大き過ぎない?」
「これがサイズだよ。50mm x 70mm。カナディアンでしょ?」
「ノー。違うよ~。フィリピンの。」
しまった。国を聞くのを忘れていた。
前回市民カードの写真を撮ったので、てっきりもうカナダ市民なのかと思っていた・・・
「ああ。ごめん。フィリピンは青背景で35mm x 45mmだわ。撮り直し。そっかフィリピンか~。俺はてっきりスパニッシュかと思ったよ。サラマポ。」*フィリピン語?でありがとう。
陽気で面白いおかんなので、その後もボスと4人でわいわい話した。

■ ■ ■
店の前で、男二人が大声で話している。
手にはバドワイザーの缶。*屋外での飲酒は違法。

■ ■ ■
2、3日前から冬場は姿を消していた黒人の浮浪者がうろつき始めた。
ハーフパンツに耳あてのついたニットキャップ。
見た目は普通だが、いつも柱とお話している。

■ ■ ■
夕方腹が減ったので、越南美食へ向かった。
「ハローマイフレンド。いつものやつ?」
とおじさんに聞かれたが、
さすがに今日は違うメニューが食べたかったので、
「牛肉ソテーをライスヌードルにかけたやつ」を頼んだ。
きし麺状のライスヌードルに牛肉&野菜炒めのあんかけがかかっていて、まさに今日食べたい味だった。
これもルーティーンに加えられるな。よしよし。

■ ■ ■
閉店間際、ボスの娘が友達と来た。
「お父さん、送って~。」
「まてまて、今日はこの仕事終わらせなきゃならんのに~。」
ちょうど2人で、店のチラシを作っているところだった。
そして前回のごとく、急にはりきりはじめ、
「それでな~。これをな~、こうしてコントラストを強くしてな~。ちょと赤を足してな~。こうやってこうやって・・・」
と授業が始まった。(056参照)
こっちも前回のごとく、
「は~なるほど~。すごい。ビューティフル!」
とあわせてやったが、娘は友達とおしゃべりに夢中だった。
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by canadianman | 2010-03-17 22:41 | 業務日誌

062 常に向上心

■ ■ ■
出勤早々腹が減った。
今日は久々にフォーが食べたい。
サブウェイのサンドイッチをほうばっているボスに店を託し、隣の隣のベトナミィーズレストラン、越南美食へ向かった。
今日は15℃近くあり、半そでの人もいるくらいの陽気だ。
自分がそうだからなのか、見かける人達がみんなハッピーに見える。
ドアを開けレストランへ入ると、ウエイトレスのお姉ちゃんは食事中で、口ひげのオッサンが注文を受けてくれた。
フォーを受け取り、店へ戻って、奥の部屋で食べる。
まずは生肉をはしでとり、熱々のスープにいれる。
しゃぶしゃぶだ。
やっぱりフォーはうまい。
ボスが変なものを見るような目で見てくる。

■ ■ ■
ボスが外出先から帰って来た。
小さな傘を持っている。
照明に被せる傘だ。
ちなみに照明用の傘なので、値段は高い。
彼のいいところは現状に満足せず、どうやったらさらによい写真が撮れるかと常に追求しているところだ。
照明に傘をはめる。
角度、距離を変えながら、一番いいところを探していく。
「う~ん。首に影が入るな~。」
30分ほど試行錯誤を重ねた結果、傘なしが一番いいということが分かった。

■ ■ ■
ベトナム人のお姉ちゃんが来た。
市民カードの写真だ。
写真ができあがるまでの間、越南美食のフォーを大絶賛すると、
「え~。だめだよ。あそこは全然おいしくないよ。私あそこよりおいしいフォーを作る自信があるよ。」
「ええ・・・あそこおいしくないんだ・・・」
「日本人にとってのトロントの寿司」と似たような感覚だろうか。
越南美食で満足しているのに、本場のフォーを食ったらどうなるのだろう・・・

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タミル人の若夫婦が来た。
とてもラブラブで見ていてうらやましい。
写真を15枚注文してくれた。
色校正中話をしていると、
「君、ビデオカメラのこと分かるかい?最新のビデオカメラを買ったのに、映りがすごく悪いんだ。真っ暗に映ってしまう。」
と相談してきた。
「どこのビデオ?」
と聞くと、Sonyとのこと。
「多分明るさだと思うよ。そもそも暗いところで映像をとるのは難しいからね~。」
と言ったが、いてもいられなくなったようで、
「今から持って来る!」
と言って家までビデオカメラを取りに行ってしまった。
30分後、ビデオカメラを持ってきて店内で嫁を試し撮りする。
「あ。きれいに撮れた。」
「だから言ったでしょう。」
そしてその後、
「これ最新のカメラなんだけど、いいよね?」
「これHDなんだよ。いいよね?」
「これあと4時間以上もメモリーカードなしで撮影できるんだ。すごいよね?」
「これ700ドルで買ったけど、いいよね?」
このセリフどこかで聞いたことがあるような・・・
褒めて欲しくてしょうがないようなので、
「いや~いい買い物したね~。俺も欲しいよ~。いいな~。」
と言うと、とても満足そうだった。
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by canadianman | 2010-03-16 22:57 | 業務日誌