カナダ一治安の悪い交差点にあるフォトスタジオで働く日本人の業務日誌


by canadianman

011 ナカマ

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昨日、別れ際にボスがこう言った。
「明日、俺の姪が来るから、彼女にPhotoshop(写真加工ソフト)を教えてやってくれ。彼女はとても小さい女の子だ。よろしくな。」
ほう、何歳くらいの子供なのだろうか。わかったPhotoshopだな。

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出勤すると女の子が座っていた。ボスはいない。
自己紹介し、握手する。
「TAQです。」
「マユラです。」
椅子を立ったがとても背が低い。
小さいって、この小さいか~!
失礼だろ~!
彼女は大学生で、8月、9月は夏休み返上で店を手伝わさせられていたらしい。
2人で、
「あの人めちゃくちゃだよね~(人使いが)」
と盛り上がった。

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カリビアンのおばちゃんが来た。
証明写真いくら?と聞いてきたので、2枚ならいくら、4枚ならいくらと説明した。
高いから2枚にするとおばちゃん。
「じゃあ髪を整えるから待って。」
帽子でぺちゃんこになった頭をくしで整え始めた。
とにかく独り言がすごい。
「はい。ここの髪をこうもちあげて。あらやだ~こっちがまだだわ・・・」
待つこと5分。
「はいお待たせ。ところで何分でできあがるの?」
「5分」
カメラを持ってスタンバイしようとしたとき、
「あ。眉毛を忘れてた。もうちょっと待って。」
「眉毛ちゃん眉毛ちゃん、こうこうこうやってくしでね~。あら、唇の色がよくないわ。こうしてこうしてと・・・」
待つこと5分。
やっと準備が整った。
しかし彼女の独り言は止まらない。
「スマイルできないのよね~。ついついしたくなるけど、唇と閉じてスマイルはちょっと難しいのよね~。いい感じにできるかしら・・・」
「ちょっと唇閉じて!!!」
やっと静かになった。
10分ものセットアップのおかげで(もちろん腕のおかげも)とてもいい写真があがった。
「わ~お。本当に素晴らしいわ!手元に置いておきたいから4枚ちょうだい。」
「今度絶対スタジオ写真撮りに来るわ!」
そういいながらだんだん独り言になっていき、一人でぶつぶついいながら帰って言った。
独り言おばちゃん。
また来るといいが。

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4時、マユラが帰った。
「殺されないようにほどほどにがんばりなよ。」
さすが経験者、よく分かってるね~笑

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めっちゃ怖い男が来た。
今度は顔だけ怖いのと違って、全てが怖い。
「パスポート用写真撮ってくれや。明日受け取りに来るわ。」
「5分待ってもらったら仕上がるけど?」
「待ってる時間がね~んだよ。」
おお怖。
ジャンバーを脱ぐと白いTシャツ姿。
パスポート写真は白い背景なので、白い服はNGなのだ。
「上着着てもらえる?白い服はだめなんだ。」
「え?そうか。」
脱いだジャンバーを着なおして鏡に向かう。
クソーといいながら左胸を気にしている。
よく見ると
思いっきり「G-UNIT」と書いてある。
「あ。じーゆにっと。」
「さすがにパスポートにG-UNITって書いてあるのはまずいな・・・」
めっちゃふきそうになったが、ふいたらやばいので、真面目な顔して店のジャケット貸してあげて写真を撮った。
「じゃあ明日取りに来て!」
とG-UNITを送った。

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ベトナム人のおねえちゃんが来た。
証明写真を取り終えて、世間話をしていると、アジア系のおばさんが入って来た。
俺の顔をみるなり、思いっきりベトナム語で話しかけてきた。
結構ベトナム人に間違われる。
もちろん何を言っているのか分からない。
すかさずおねえちゃんが通訳してくれた。
どのサイズか、いくらか、どれくらいでできるか、何時に閉店か。
(店に)おつりがないから、小さいお金で払ってあげてとまで通訳してくれていた。
ありがとうおねえちゃん!
おねえちゃんが先に帰り、英語が全く話せないおばさんは緊張気味だったが、できあがった写真をみて、その出来に大喜びして帰っていった。
ベトナム人と日本人がカナダで英語を使って会話している。
考えるとなんかすごいな。

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ジャメイカンのさんちゃんが来た(006参照)。
さんちゃん、なんとこないだの写真の残りを取りに来たのだ。
えらいぞさんちゃん!
と思ったら、不足金額13ドルのうちの10ドルしか払わなかった。
「今10ドルしかないのよ~。またあとは・ら・う・か・ら。そして今日は10ドル分プリントしといてちょうだい。」
ってあんたガソリンですか?
10ドル分の写真を選んで帰っていった。
カメラに900枚の写真があるから当分うちに通うことになりそうだ。
さんちゃん。
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by canadianman | 2010-01-13 21:10 | 業務日誌